私は推薦入試という方法で合格しました。推薦入試が一般入試と異なる点は大きく二つあります。
一点目は東大の二次試験を解く必要がないこと、二点目はその代わりにプレゼンや質疑応答、ディスカッションなど一般入試にはない選定がなされるということです。
二点目の選定法は志望学部学科によって異なり、推薦入試を受ける人は共通テスト対策や推薦で落ちてしまったときのための二次対策のほかに、この準備を進めることになります。また学部共通で上記の面接の前に、推薦応募の際、学部ごとの要件を満たしているか書類審査が行われます。今回は私の志望学部である薬学部において、私がどのようにして合格したのかについて記します。
薬学部ではプレゼンとそれに対する質疑応答が行われました。準備は12月半ばの面接に合わせ、10月末からスライド制作や発表練習を始め、プレゼンでは高校での研究活動と学部進学後の展望について発表しました。スライドの添削は研究をしていた部活動の顧問の先生にお願いしていたのですが、修正回数は数十回に上り、準備の中で一番骨が折れました。
高校での研究は「香料物質が持つ遺伝子突然変異抑制効果と、その効果に起因する化学構造」をテーマとしていました。もっと簡単に説明すると「がんの要因を抑制できる香料があるみたいだけど、どうしてそんな働きをするのか分からないから調べてみよう」といった感じです。
高校生当時、この部活動にかなり力を入れて取り組んだこともあって、総合文化祭、運動部でいうところのインターハイで最優秀賞をいただくことができ、プレゼンでは研究に合わせてこのような実績についてもアピールしました。展望では高校の研究で有機化学や酵母菌を多用し興味を持ったため、生合成を利用し有機合成を低コスト・小工程で済むようにしたいといった話をしました。改めて考えるとかなり具体的に展望について語ったと思います。
質疑応答は研究がメインだったこともあり、高校では勉強しないような専門性の高い内容についても質問されましたが、面接官の教授方が穏やかに対応していただいたので、いわゆる圧迫面接のような雰囲気ではありませんでした。
人とは違う何かという点数化できないものを求められたり、受験勉強にも本気で取り組む必要があったりと中々ハードではありますが、勉強以外に情熱を向けられる矛先、大学でしたいことが明確に決まっている方は是非推薦入試にも挑戦してみてはいかがでしょうか。